その体の不調は活性酸素が原因かもしれません
「活性酸素は健康に悪い」という話を聞いたことのある人も多いと思います。
『体がサビる』という表現はどうでしょう?
老化する=サビると表現しているのですが、活性酸素が主な原因といわれています。
しかし、具体的に活性酸素がどんなもので、私たちの体にどのような影響を与えるのかご存知でしょうか?
くわしく知っているという人はさほど多くはないでしょう。
ここでは活性酸素の正体や発生のメカニズム、体に対する影響などについてくわしく見ていきます。
酸素と活性酸素
「酸素」という言葉が含まれていることからもわかるように、活性酸素は酸素から変化した物質です。
空気のなかには20%ほどの酸素が含まれており、人は呼吸によって酸素を体のなかに取り入れることで生命活動を維持しています。
とくに酸素を多く消費するのは細胞のなかにあるミトコンドリアです。
ミトコンドリアは食事で摂取した脂肪を燃やしてエネルギーに変換する場所であり、取り込んだ酸素の実に90%以上を消費しているのです。
通常、分子というものはプラスの電子とマイナスの電子が対をなした状態でその形を保っています。
しかし、エネルギーを作り出す過程のなかで、酸素はほかの物質と複雑に絡み合いながら衝突を繰り返します。
その結果、片方の電子が欠落してしまって不安定な状況となり、通常の酸素よりも強力な酸化力をもつ物質に変化することがあるのです。
これが活性酸素と呼ばれる物質の正体です。
活性酸素の役割
このように、エネルギー生成の副産物として発生するのが活性酸素ですが、活性酸素はまったく無駄なものというわけではありません。
私たちの体には免疫機能というものがあり、外部からウイルスや細菌といった異物が侵入してきた場合は白血球が攻撃して無毒化させますが、このときに使われるのが活性酸素だからです。
また、リンパ球の一種にナチュラルキラー細胞というものがありますが、これもがん細胞を攻撃するために活性酸素を大量に消費することがわかっています。
まさに、「毒をもって毒を制す」という構図そのものといえるでしょう。
活性酸素がもたらす負の作用
では、なぜ活性酸素が一般的に悪者として扱われるのでしょう?
それは活性酸素は正常な細胞まで攻撃してしまうことがあるからです。
すでに説明しましたが、活性酸素は電子的に不安定な状態であるため、安定するためにほかの細胞や組織と結びつこうとします。
このとき、タンパク質を変性させたり酵素を失活させたりすることで、正常な細胞や組織を劣化させてしまうのです。
その1つの例が、活性酸素によって引き起こされる動脈硬化です。
活性酸素が血管の正常な組織や細胞に結びつくと、その活性酸素は自身の安定のために余分な酸素分子を血管へ移動させます。
そうなれば血管には通常よりも多くの酸素分子が存在することになるわけですから、より酸化が進んでいってしまうのです。
老化してしまった血管は血圧の急激な変動に対応することができなくなるので、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な症状を引き起こすことになります。
しかし、活性酸素がもたらす負の作用は血管だけにとどまりません。
活性酸素が皮膚細胞を攻撃することで、シミやそばかすができてしまうことがあります。
また、意外なところでは疲労も挙げられます。単に歳とともに疲れやすくなったというだけでなく、慢性的な疲労は活性酸素が影響しているかもしれません。
活性酸素から身を守るためには 生活習慣を見直しましょう!
生活習慣をまずは見直しましょう!
活性酸素は外部からの刺激や生活習慣によっても増えてしまうことが知られています。
たとえば、喫煙の習慣がある人は要注意です。
たばこにはニコチンなどのさまざまな有毒物質が含まれており、これらの有毒物質を体内から取り除くために大量の活性酸素が生成されます。
同様に排気ガスや紫外線なども体に対して有毒な物質を含んでいるため、余計な活性酸素を増やすことになってしまいます。
また、アルコールの摂り過ぎにも注意しましょう。
アルコールを摂り過ぎると活性酸素が増えるだけでなく、健康な肝臓の組織まで傷つけてしまいます。
このほかに、慢性的なストレスや食品に含まれる食品添加物なども活性酸素を増やす原因となります。
活性酸素から身を守るためには 食生活も改善しましょう!
食生活の意識は基本です!
人の体には増え過ぎた活性酸素を取り除くために抗酸化物質を生成する機能があります。
代表的なものとしてはスーパーオキシドディスムターゼやカタラーゼなどがあります。
これらの酵素を作ることで、活性酸素によって体の細胞や組織がダメージを受けないように活性酸素を分解するのです。
ただ、生活習慣の悪さやストレスの大きさによってはその量が十分でないことも考えられます。
抗酸化物質を食事から摂取する場合は、以下の食品を意識して摂取してみてください。
ポリフェノール類:大豆に含まれるイソフラボン、緑茶に含まれるカテキンやタンニン、ゴマに含まれるセサミノール、ブルーベリーに含まれるアントシアニンなど。
カロテノイド類:緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンやリコピンなど。
ビタミン類:ビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10など。
その他:鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドなど。
食事だけでは摂取が難しい方は、サプリメントからも積極的に摂取するとよいでしょう。
~まとめ~
活性酸素には外部から侵入してきた異物を攻撃して退治してくれるというよい働きがあります。
一方で、正常な細胞まで攻撃してしまい、細胞の老化を引き起こすという悪い一面も持ち合わせています。
活性酸素が増え過ぎてしまうとお肌の不調や動脈硬化、さらには疲労の原因となってしまうこともあります。
活性酸素は年齢とともにどうしても増えてくる傾向にあります。
活性酸素を増やさないためには生活習慣の改善が必要ですので、たばこや深酒は避けるようにしましょう。
また、抗酸化物質を含んだ食品を積極的に摂るようにするのもオススメです。
抗酸化活性力のあるサプリメントもオススメです。