薬剤師が知っている体重と健康の驚きの関係

健康と体重コントロールの驚きの関係について

生活習慣病の原因の1つとして、体重についていわれることが多くあります。

健康診断などで検査数値の指摘を受けると、改善のためにダイエットなどを医師から指示されるのが一般的です。

私も先日健康診断を受けましたが、コレステロール、尿酸値、メタボ等々で食事・運動によるダイエットを勧められました💦

なぜこのような指導を受けるのでしょうか?

果たして、健康と体重にはどのような関係があるのでしょう?

生活習慣病のほとんどが体重と関連

現代人を苦しめている生活習慣病には、典型的な疾患がいくつか見られます。

高血圧や脂質異常症、糖尿病などが挙げられますが、これらの疾患は体重に関係しているとわかっている方も多くいらっしゃるでしょう。

実際に食事内容を見直したり、効果的な運動を継続したりすることで、こうした疾患を改善させることができる場合も多いです。

現代人にとって大切なのは、たとえ体重1gであっても、減ること・減らすことの意味を「正しく」とらえることではないでしょうか。

ダイエットとは、ただやみくもに体重を減らせばよいというわけではありません。

自宅の体重計に乗り、「〇キロ減った!」ということを目指してダイエットに励む方も多いですが、これだけではモチベーションを維持することも難しいでしょう。

人間の体の約60~70%は水分で構成されており、残りの30~40%が筋肉や脂肪、骨や内臓などになります。

このうち増減しやすいのが水分で、そのほかは日常的に変動するようなことはほとんどありません。

目先の増減はほとんどが水分によるもので、ダイエットには長期的な視点と意識が必要となってきます。

体重と健康 生活習慣病のほとんどが体重と関連

食事療法と運動療法が勧められる理由

生活習慣病の改善には、投薬よりも食事療法と運動療法が有効だといわれています。

両者を正しく実行し、継続することで、自力で健康を取り戻せる人も少なくありません。

実際に私が関わった患者様で、高血圧と糖尿病と診断され、薬の服用を開始しましたが、毎朝のウォーキングを徹底的に継続することで数カ月後には数値を正常値まで戻して薬を飲まなくても良くなった方がおられました。

食事制限のみによる減量ではなく、食事と運動を組み合わせた減量だと、より効果的なダイエットができるようになります。

無理のないダイエットをしようとした場合は、240kcalを目安に摂取カロリーを減らしていきましょう。

たった240kcalで良いのかと驚く人もいるでしょうが、白いご飯なら普通のお茶碗1杯分でこのカロリーになってしまいます。

これを運動で減らすとなると、ウォーキングの場合は70分もの時間が必要となります。

激しい運動だけで体重を減らそうとせず、食事管理も並行して行っていきましょう。

内臓脂肪のほうが減らしやすい

体重と健康 内臓脂肪の方が減らしやすい

これまでのさまざまな研究から、実は皮下脂肪より内臓脂肪のほうがずっと減らしやすいということが明らかになっています。

健康に影響を与えやすいのは内臓脂肪のほうですから、正しい食事管理と運動を組み合わせれば、健康を維持できることも難しくはないといえるでしょう。

筋肉を減らさずに体脂肪だけを減らすことが理想ですから、自分にはどれくらいのエネルギー消費バランスが適切かを知ることが重要です。

厚生労働省のe-ヘルスネット「肥満と健康」や「健康づくりのための身体活動基準2013」にもありますが、内臓脂肪を減少させるためには1週間に「10メッツ・時」以上の運動が必要だといわれています。

「メッツ」というのは運動の強さを表す単位であり、「メッツ・時」というのはメッツに実行した時間を掛け合わせたもので、これが具体的な運動量の単位となります。

メッツはいわゆるスポーツだけでなく、日常生活で体を動かす動作にも割り当てられていますので、ダイエットを考えている方は厚生労働省のサイトでチェックしてみましょう。


「肥満遺伝子」とは

これはモチベーションとも関係する大事なお話です。

基本的なダイエットの方法をしっかり勉強し、実行したとしても、成果にはかなりの個人差があることは皆さんもきっと知っていることでしょう。

同じものを食べ、同じだけの運動をしているにもかかわらず、ある人はとても痩せやすく、ある人はとても痩せにくいという事実もあります。

これは最近注目を集めている「肥満遺伝子」が原因だといわれています。

肥満遺伝子は基礎代謝量に関わる遺伝子であり、人それぞれ異なるため、一概にダイエットの方法だけが悪いとはいえないのです。

体内で分解できる量に差があることは当たり前ですし、状況などが違うことも納得できます。

しかし、糖質・脂質の分解が苦手な遺伝子をもつ人がダイエットに励んでも、他人と同じだけ食べてしまうと自分だけが肥満になってしまうこともあるのです。

自分にとって一番効果のあるダイエット法を知るために、どのような生活をし、どのような食事や運動をするかだけでなく、もっている遺伝子の特徴も把握しておきましょう。

体重と健康 肥満遺伝子とは

~まとめ~

健康を取り戻すだけでなく、それを維持するためにも食事と運動の両面から正しくアプローチすることが重要です。

短期間だけダイエットをしてもさほど意味はありませんので、どうすれば無理なく続けられるかを考えることも大切です。

また、継続していても思うような効果が出ない場合、自分の体質を遺伝子の面から知ることで、新たな突破口を開くことができるかもしれません。

本当に自分に合うダイエット法とはどのようなものか、あらゆる面からしっかり向き合い、健康な体を手に入れましょう。

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